Click for アムステルダム, オランダ Forecast★A'dam                                       

2013.07.29 (Mon)

病院の夜警

病院の夜警の仕事って、
やったことありますか?

 『ちょっと怖いよ』 


ということで、怖くない最近のメニュー。

130724.jpg

タマゴ焼き。ズッキーニのタパス風。蒸しサツマイモ。
ウインナー。牛肉しゅうまい。エビフライ。イチゴ。
ポークステーキ。ポテトサラダ。ワカメとイカの酢の物。
豆腐と豚肉と牛蒡とブロッコリーの甘辛炒め物。
たくあん。アンダイブの野沢菜風。ごはんと黒胡麻。



レンブラント

の『夜警』という名画が国立博物館にあります。
オランダから門外不出とされる世界三代名画の一つです。

夜警は夜警でもレンブラントとは違って
病院の夜警の話です。

学生時代に住んでいた京都。
8月の京都の風物詩の五山の送り火の一つに
『妙法』という文字があります。
その文字の麓一帯が松ヶ崎という地域です。
そこに中規模の病院がありました。

学生時代の先輩からの代々の流れで、
この病院での夜警のバイトがありました。
夜7時から翌朝7時までの夜警です。

先輩からバイトの声がかかった時は
そりゃもう喜んで承諾しました。
下宿先から近いことも理由の一つですが、
仕事内容がやっぱり楽だからです。
ですからバイトの初日は、
軽いルンルン気分で病院に行きました。

夜警担当の個室の警備室があります。
ベッドと机とTVがちゃんとあります。
仕事は2時間ごとの定期的な館内見回りです。
晩御飯は好きな時間に食堂で食べればよいのです。
空いた時間はTVを視ようが寝ようが自由です。
定められた時間に館内を警備すれば良いだけです。

初日なので先輩が来てくれて全体のやり方を教えてくれました。
1階フロアーのボイラー室に向かいます。

 『ブンタ君。いいか。このボイラーの種火が重要や。
 これが消えてたらガス漏れの危険性がある。
 必ず種火がついていることをチェックするんやで。
 そして確認時間と名前をこの用紙に書くんやで』
 『はい。わかりました』

ボイラー室の隣は厨房でした。

 『厨房では患者さんの三度の食事を作っとるんや。
 で、ローカを挟んだ向かい側が職員専用の食堂だ』

食堂へ入るとテーブルに一人分の食事と炊飯ジャーが置いてあり、
患者用運搬トレイには本日の残り物らしいおかずが並んでいました。


 『これが僕らの晩御飯や。好きな時間に来て食べたらいい。
 トレイのオカズもなんぼ食べてもええで』
 『はい。でもちょっとこの部屋、変な臭いしますよね』
 『ま、病院やし。そこら辺はしゃあないやろ』

食堂を出て階段を上がります。

 『ま、一番重要なのは種火点検やから。
 種火チェックしたら後は4階まで上がりながら各階を回り、
 9時以後は消灯だから電気のついてる部屋は消して行くんや』
 『はい。わかりました』

看護婦さんも夜勤の方が2階ナースセンターに一人います 

 『看護婦さんも深夜になるとちょっとサボって
 5階の看護婦寮に戻ってしまう人もいる。
 でも、わしらの見回りは4階までやからな。
 スケベ心出して5階の看護婦寮に行ったらあかんで』
 『はい。わかりました』 

凛々しく返事をする若き日の私です  

 『以上のようなことや。簡単やろ。
 ま、滅多なことはないと思うがな、あれ以外は』

妙な言い回しです。

 『先輩。あれ以外って、あれって何ですの?』
 『まあ、あれや。ここはな、長期入院の老人ばかりなんや。
 だから、突然寿命が尽きてしまう人もおるわけよ。
 看護婦さんがおるけど運ぶのに男手も必要でな』
 『え!運ぶって・・・まさか』
 『そうや。死体や』
 『げ!』
 『できたてのホカホカやで』
 『げげげ!』
 『看護婦さんの指示を受けて手伝うわけよ。
 ここでバイトする者全員が一度は経験しとるやろな・・・』
 『げ、げろげろ!』 
 『大丈夫や。何も出てけえへんて』
 『ほんまに何も出まへんか?』 
 『ま、今までのところはな。
 ちゅうことで後は頼んだで。わしは帰るし。ほな』

長期入院の老人専門病院だということをその時に知りました。
一人になった当方は何だか不安になってきました。
時間は7時半です。家族などの見舞い客は8時半まで。
院内はまだまだ明るく人の往来も多いです。

警備用白衣を着て警備用大型懐中電灯を肩からぶら提げて
用も無いのに院内を警備員らしく歩きました。
ナースセンターには3,4人の看護婦さんがいます。
どの階のどの部屋もほとんど寝たきりの老人ばかりです。
かなり干からびた感じの方も多数います。

一巡して警備室に戻りTVをつけてベッドに横になりました。
すぐに9時の定期見回りの時間になりました。
9時とともに院内の照明が落とされました。
ローカも小さな照明だけで薄暗くなりました。
見舞い客も家族の人もみんな帰りました。
病院全体がシーンとしています。

さっそく種火チェックにボイラー室に向かいました。
すっかり腹も減っていたので、
ボイラーチェックをしたら飯を食おうと思っていました。

でも、その時にそれに気付いたのです。
17:40  |  こんな事あんな事
 | HOME |