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2011.09.20 (Tue)

9月20日 ある料理人

キリバン闘争終了。

踏んだ方から連絡もちゃんとありました。

誠におめでとうさんでございます 

   ようこそ!おめでとぉー

ご希望通り金曜にキリバン弁当をお届けします。


ということで本日のマイランチ。


親子とじ


親子とじ。
昨日の豚肉ロール煮込みのダシをオタマ一杯利用。
フライパンでタマネギと鶏肉をダシで煮込みます。
頃合に卵一個分をかけまわして長ネギを載せます。
再び頃合にもう一個分の卵をかけまわして、
ちょっと卵の状態が緩めぐらいで火を止め蓋をします。
1分ほど置いて皿に移し上から山椒を振ります。
撮影した後はご飯にかけて親子丼にして食べました。



料理人

長らく暮らした京都には知り合いの板前が何人かおります。
自前の店を持った者もいれば料亭で働いている者もいます。

その中で特に親しい中橋君というのがいます。
当方が95年にアムステルダムで店を出したときに、
京都の市場を案内してくれて食器の手配をしてくれました。

その中橋君が幾つか料亭で働いたあと
念願の店を祇園に出したのです。
四条通り北側エリアで飲食雑居ビルの2階でした。

ちょうど当方が帰国するタイミングだったので、
お祝いを兼ねて中橋君の店に寄りました。
屋号も『割烹中橋』です。
6人がけカウンターとテーブル2席の
こじんまりとした店でした。
基本的に中橋君一人と若いバイトの子一人を雇って
やるということでした。

 『どんな店にするんじゃ?』
 『安くて美味い店です!』
 『祇園で安くでやっていけるか?』
 『やれると思います。基本僕一人ですし』
 『ほうか・・・。頑張りや』

安くて美味い店。

個人で飲食店を開業する人はよく口にする考えです。
でも、安くて美味い、という考えは間違いだと思います。
店が自分の持ち家ならまだ別でしょうが、
賃貸物件で、安くて美味い店、はほぼ潰れます。

高くて不味いのは最悪です。
高くて美味いのは当然です。
安くて不味いのはごく普通にあります。
安くて美味いのは経営的に行き詰まります。

個人が飲食店をやる時は、
チェーン系列に入るわけでもない限りは、
『適切な料金で美味しい店』が正しい在り方です。

中橋君はこじんまりした店ながら、
立派な新品業務用冷凍冷蔵庫をしつらえてました。
気持ちは分かります。念願の自分の城ですから。
でも人を雇って大規模料亭をするわけではありません。
基本は中橋君一人でやっていく店です。
業務用冷蔵庫など全く必要ありません。
家庭用冷蔵庫と冷凍庫で十分です。
値段もゼロが一つ違ってきます。

中橋君は幾つかの料理屋で修行を積んで、
店を開くには業務用機材を揃えなければならないと、
勝手な固定観念が染み込んでました。

いい食材で料理を作ってくれました。
さすがに腕は素晴らしいので美味しかったです。
でも大人3人が呑んで食べて料金が1万円弱。
祇園でこの値段では店はやっていけません。

オランダに戻ってしばらくして電話すると、
なんともう店を止めて閉めていました。
半年も経営が持たなかったのです。

中橋君は料理の腕はいいのです。
ですが経営は素人なのです。
理想の営業をする夢は良かったのですが、
現実的経営では、安くて美味い、は無理でした。

料理人は料理は作れますが経営は別の話です。
名選手必ずしも名監督にあらずです。
名ボクサー必ずしも名コーチにあらずです。

逆に現役時代は決して成功しなかったボクサーでも
ジム経営には素晴らしい才を発揮する者が多々います。
料理は下手でも店経営は上手い人はいます。

仕入れをいかに抑えるか。
飲食業のホシはここにあります。
日々の特売など常にチェックして仕入れる。
小さな努力でしか利益は出ません。

業務用品にこだわりすぎて初期設備投資に
かなりの資金を使ってしまった中橋君。
開店してからは良い食材ばかりを買い求め、
腕をふるって調理して客に安く提供する。
お客は喜ぶでしょうが店の経営は無理です。


中橋君は祇園の料亭で今も働いています。
雇われるのが自分には合うと言ってました。


 『人それぞれタイプがある』
15:09  |  こんな事あんな事
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