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2011.02.22 (Tue)

2月22日 女将と社長

お弁当箱の容器を

違う形に替えてみようと計画中。


ということで本日の、いつもの容器のメニュー。


2月22日

カリフラワーとブロッコリーの肉味噌炒め。餃子。
チキンカツ。エビ天婦羅。ミニコーンベーコン巻き。
タマゴ焼き。ウインナー。肉団子。ひじき。かぼちゃ。
大根糠漬け。ごはんと黒胡麻カオリふりかけ。



ご祝儀

料亭をよく使う社長がいました。
商談も遊びも料亭でした。

ところが順調に行っていた会社が傾き
財務的に大変な状況になり結局倒産。
1980年代半ば頃の話です。

しかしながら社長はいつも通りに
何事もなかったかのごとく料亭を使い続けました。

社長 「女将、また今日も世話になる」
女将 「いらっしゃいませ」

倒産の件は料亭の人たちの耳に入っています。
でも店に通う社長から特に何の話も出ません。
女将さんも細かい事情を聞こうとはしません。
週一ペースで社長は料亭で人を接待しました。

ただし、これまでとはちょっとだけ
事情に違ったことが起こりました。

社長 「女将、すまんが付けておいてくれ」
女将 「はい。かしこまりました」


そうです。
支払いの付けが溜まっていったのです。
これまでは月払いで済まされてきた清算が、
いつ払われるか分からぬまま数ヶ月が過ぎたのです。

仲居たちが、
「いつまで社長の料亭通いが続くことやら」
と軽口を楽しんだり、
会計を預かる番頭からは、
「そろそろ請求した方がいいと思います。
かなりの額に溜まってますが」
と女将さんに不満を述べたりします。

でも女将さんは、
「社長さんは再起のために戦っています。
私にできることならお手伝いしたい。
男の再起をしっかりと見届けたい。
社長から言われるまで請求書は送りません」
ときっぱり言うだけでした。

とうとう半年が経ちました。
一度だけ溜まった額を社長は確認しましたが、
まだ何の支払いもありません。


しばらく社長が来ない日々が続きました。
もしかして・・・と誰もが不安に思いました。
女将さんの心中を察して周囲は社長の話を
しないように気を使っていました。

ところがそんなある日のこと。
予約無しで社長が一人でやって来ました。
いつも人の接待ばかりでしたから珍しいことでした。

いつもの部屋へ案内し仲居が酒と肴を出した頃合に
女将さんも挨拶に部屋に赴きました。

女将 「お久しぶりでございました」
社長 「おお女将。喜んでくれ。
  やっと会社を立ち上げることができたよ。
  万事上手く行った。ありがとう。
  これも全て女将のおかげだ。
  ここでの接待が全て花開いたよ。
  付けで溜まったのは200万だったな。
  全額払うよ。本当にありがとう」

こう言って社長は現金200万の包みを渡しました。
女将さんの顔にパッと赤く血がさしました。
包みを受け取った女将さんが言いました。
満面の笑みと微かにふるえる声で言いました。

女将 「お、おめでとうございます。
  きっと再起なさると信じておりました。
  まことに、まことにおめでとうございました。
  頂戴しましたこの200万は私からのご祝儀と
  させて頂きたく思います。お納めください。
  今後ともこの店をご贔屓にして下さるだけで
  私は十分でございます。おめでとうございました」

こう言って女将さんは肩をふるわせて泣きました。
社長はぐっとこらえて盃の酒を呑みました。

料理を持って襖入り口に待機していた仲居は
二人の話を聞いて涙が止まりません。

受け取った支払いをご祝儀として返す。
この女将の粋ありて、この社長の再起あり。

こんな話は日本には結構あるものです。
男の美学はやせ我慢にありますが、
それは女も同じだろうと思います。

 「かっこよく生きるのは命がけじゃ」
16:32  |  こんな事あんな事
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