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2018.04.16 (Mon)

怖い話

温暖な春です。

となると怖い話が登場です。

大学に入った新入生が経験した話です。


彼は東京の大学に進学し初めてのアパート一人暮らしを始めました。
田舎から出て大都会での夢の一人暮らしです。
多少の不安も自由な日々の暮らしに夢や希望で胸がいっぱいの気分です。

別の大学に進学した高校の同級生がすぐ近所にいることを知りました。
そうなるとしょっちゅう互いのアパートを行き来しだすのは当然のこと。
そうこうしているうちにアパートのスペアキーも交換しあい、
いつでも気分次第でお互いのアパートを自由に出入りできるようにしました。


そんなある日のことです。
大学から夕方に帰宅するとアパートのドアの鍵がかかってません。
「おーい。来てるのかあ?」と彼が呼びかけると、
「おー、いるぜ」と友人からの返答。

アパートの作りはドアを開けて玄関の右がトイレで左が浴室です。
正面に台所が設置されており台所右横を抜けて奥が六畳一間です。

そそくさと靴を脱いで、今日こそゲームに負けんぞ、
そう思いながら奥の部屋へ進みました。
するとです。誰もいません。
お、隠れやがったな?
狭い部屋のことです。探すのも簡単です。
ベッドの下。押し入れの中。小さいベランダ。
どこにもいません。
ありゃりゃりゃ?
他に隠れようがありません。
「おーい。降参降参。どこにいるんだよ?」と呼びかけました。

すると、
今度は玄関口の方から声がしました。
「いまから出るよ」
友人の声ではなく女性の声でした。
トイレの電気がついてます。さっきは消えてました。
え?だれ?女?なんで?
急激に全身に悪寒が走り心臓がバクバクしました。

トイレのドアがガチャ、ギギーとゆっくり開きます。
彼はドアから目が離せません。
人は何か恐怖を感じるとそこを凝視してしまいます。
みちゃいけない。みちゃいけない。
心ではそう思ってるのに冷汗が吹き出し目はトイレにくぎ付けです。
何か黒い影がゆっくりと出てきました。
スローモーションのように上半身がゆっくりと出てきました。
あああ、なんだ?あれはなんだ?見ちゃいけない。いけない。
そう思いながら彼は全身が硬直し突っ立ったまま見つめました。
あああ、ダメだ、ダメだ。ああああああ。

と、その時です。

玄関がガチャガチャっと開いて、
「おーい、帰ってるかー?」と友人の声。
途端にスッとトイレのドアが閉まり電灯も消えました。

友人の登場で彼は恐怖から解放され後ろのベッドにぶっ倒れました。
「おいおい、どうしたんだよ?大丈夫か?」
駆け寄る友人に彼はいま起こった一部始終を話しました。
とりあえずトイレをチェックした友人は異常は無いことを確認。
「でも、とにかくここを出よう。俺のアパートへ行こう」

彼はそれから友人のアパートで暮らすようになりました。
とてもじゃないですが一人ではもう自分のアパートで暮らせません。
「あれはいったい何だったのでしょう?」

彼は一人暮らしができなくなってしまいました。


 『何じゃったんだろうのう?』
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