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2013.09.08 (Sun)

最近知った怖い話

市役所勤務の友人の話しです。

彼は主に公園設備の保守管理を担当しています。
公園の遊具の修理手配とか伸びた木々の枝の剪定とか、
落葉時期に業者を連れて掃除に繰り出したりするのです。
これが結構多忙なのです。

出勤したある日、課に警察から依頼電話が入りました。

 『○○公園の女子便所で自殺がありました。
 首吊りで女子便所の扉上部のアルミ枠部分を使用したため、
 重みで枠が曲がってしまい扉が閉まらない状態になっております。
 現場検証と事故処理は既に終わっております。
 修理は警察の担当外ですのでそちらでよろしくお願いします』


その公園は山奥のダム近くにあり紅葉シーズンは人が多いものの、
普段はほとんど人が来ることのない静かな場所なのです。

設備破損の場合は一度下見してから担当業者を手配しますが、
今回は破損箇所が明確で現場まで往復にかなり時間がかかるので、
下見無しで業者を連れて修理に赴くことにしたのです。

公園は全て定期巡回点検と消耗品補充をすることになっていますが、
山奥で利用者の少ない公園の場合は定期点検は年1回ほどです。
普段はトイレットペーパー補充もせず蛍光灯が切れてもそのままです。
便器も汚れたままですし水が出るかどうかも分からない状態です。

ですから今回の破損ケースのような場合を利用して、
点検と消耗品補充などをまとめてやってしまうのが普通です。

市役所の車に補充品や修理工具を詰め込み出発しました。
途中、業者をピックアップし1時間以上かけて現場に到着。
女子便所を見ると確かに個室の扉上部のフレームが曲がっています。

ここで女性が首を吊っていたのかと思うと気味が悪くなりました。
フレーム修理は業者に任せ、友人は男子便所の整備点検を開始しました。
思ったほど汚れておらず水も出ます。便所自体に何も問題はありません。
切れた蛍光灯を交換し床を掃除しペーパー補充をしていたその時です。


 「うわぁああああああああああああああ!」 

腹の底からしぼるような業者の叫び声が轟きました。
驚いて外に飛び出してみると震える業者が女子トイレを指さし、

 「い、いた!お、女。女がいた!」 

ここまでの車中で下ネタばかり口にする楽しい年配業者が、
冗談とは思えないひきつった形相で震えています。

 「ここ、だめ!いる。いるよ。ここ、だめだよ」 

話はこうでした。
業者は脚立をたてかけ、上に上がって曲がったフレームを
上から見下げる格好でネジを一本一本ドライバーで全部外しました。
次にフレームを取り外して脚立から下りようと思ったその瞬間、
便所の内側から女が業者を見上げていたというのです。

まだ作業途中でフレーム交換は完了していません。
幽霊がいてフレーム交換不能です、などと役所に連絡する選択肢など
社会人としてありえようはずがありません。

 「俺、無理。もう一人じゃ作業無理」 

業者の言い分は最もなことです。
二人で女子便所に入り作業を再開しました。

新しいフレームを置き電動ドリルでネジを締めていきます。
友人は脚立を抑えながら業者の作業を下から眺めています。
トイレの中に友人と業者の二人以外は誰もいません。
業者は上から下を見ながらネジを締めて行きます。
友人は周囲を見渡しながら作業終了を待ちます。
全部のネジが締め終わったその瞬間。

 「うあぁあああああああああああ」 
 「どわぁあうぁああああああああ」
 

業者は脚立の上から、友人は真正面から、
便所の中に女性が立っているのを見たのです。
誰もいなかった便所に突然スッと女性が現れたのです  

二人は便所から飛び出し全力で車まで逃げました。

しかし修理は終わりましたが作業が終わったわけではありません。
日時と業者名を書いた黒板ボードと共に写真撮影しなければなりません。
それを書類に添付して報告書となり役所の作業が完了となります。

 「無理。俺もう無理。ダメ。行かない。」  

怯える業者を励まし便所に戻って証明写真を撮影。
散らばった修理工具や脚立を回収し現場を撤収したのです。

撮影画像には心霊らしきものは何も写ってませんでした。

二人の立派な大人が昼の最中に、
トイレの上と真正面の別角度から、
存在するはずのない女性を同時に目撃したのです。

特に何のオチも無い単なる怖い話です。


 『・・・・・・怖い話じゃ』
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